Soul of music
聞きかじったばかりの知識を引用するのは少し恥ずかしいけど、最近ネットで見たことにうっすらと感銘を受けています。
ルドルフ・シュタイナーの講演『人類の芸術的発展のための変容衝動』より
音楽的創造行為は人間の未来と関係するものです。音楽的創造行為は宇宙のなかでみずからを完成し、深めるために存在するのです。
いくつもの偉大な、天才的な音楽作品が存在するにもかかわらず、それらを試作にすぎないというのは傲慢な感じがすることでしょう。しかし、今日存在する音楽作品は、未来の無限に意味深い音楽的創造行為のための試作なのです。
人間が秘儀参入の本質を知ったとき、未来の音楽作品は意味深い刺激を受けることができるのです。
いつか、秘儀参入の途上で魂が体験する至福と苦悩に満ちた幻滅を通過すると、宇宙の諸事情に関与しているすべての運命を体験し、人間の魂は震撼します。
秘儀参入の途上で体験されるものを音の組み合わせで表現することへと魂を促すものを、震撼のなかで体験します。
ルドルフ・シュタイナー「音楽の本質と人間の音体験」
芸術において人間は、
世界のなかに結びつけられた霊を解放する。
音楽芸術において人間は、
自分自身の中に結びつけられた霊を解放する。
なんか少しオカルトっぽい感じもするけど、実はこのルドルフ・シュタイナーという人、20世紀初頭に活躍した歴史上大変有名な教育者でもあって、彼が提唱した「シュタイナー教育」を行っている学校は今でも沢山あるそうです。
なのでまあ、そこらへんによくいる中途半端なオカルトさんたちとは全く違う。
そんな彼が語ったのが上記の文章。表現が難しいのですが、要するに芸術的なものを表現したり、作り上げることが人間性を高めるためにはとても大事なことだ、ということでしょう。
この”Angler's lullaby"を始める前、僕なりに大きなテーマ、貫く何かを考えました。
テキトーなブログなんて多分すぐ飽きる。書くなら書くで、僕自身にとって何か意味あるものにしたかった。
そして決めたのが、
・釣りの持つ芸術性
・その他芸術的なもの
・人生と哲学
こんな感じ。
釣りに行ってトラウトたちに出会えるともちろんとても嬉しい。
ただそれ以外にも、とても上手く言葉には出来ないような、写真じゃ全然記録しきれないような芸術的感動に出会うことがたくさんあります。
天から降るように谷間に射す光、深さが分からなくなるくらい透明な水、そして確かに、何か霊的なものを運んでくるとても幸せな風。
単純な釣果自慢とか、テクニック紹介とか、タックル自慢とかじゃなくて、フィールドに漂う言葉に出来ないものを言葉にしてみたい。写真に写らないものを写したい。そして大好きな音楽の力も借りて、僕なりの何かを表現したい。
目指すところからすると能力不足で思うようにはいってないですが、このポリシーは今でも変わらない。
ところで先日、久しぶりに弟と釣りに行きました。多分トラウトでは数十年ぶり。
普段トラウトをやらない弟には僕のロッドとリールとルアー、そしてゲーターとウェーディングシューズを貸しました。
思い返せば、まだお互い小学生だった頃、親父に連れられて防波堤のキス釣りとかにも行ってました。あれからン十年、だいぶ年月は過ぎたものです。
弟自身、バス釣りもやってるので勘とコツを掴むのは早く、
ツ抜けするのにそれほど時間は要りませんでした。
ただ、渇水と高温で活性は悪く、サイズが出なかったのが少し残念と言えば残念。
その昔、弟は東京で音楽を学び、卒業後は六本木の森ビルなんかで定期的に演奏していたり、コンクールで入賞したりして、兄として誇らしく思っていました。
それから年月が経ち、彼は宮崎に帰ってきて、今でもミュージシャンとして生活しています。
そして実は、僕には以前からボンヤリとした願望がありました。
それは動画作りに関わること。
今YouTubeなんかではいわゆる「釣り番組」的なものや、ソロキャンプで淡々とご飯を食べるものとかあって、それはそれで面白いと思うんですが、僕が特に興味があるのはもう少しアート性が高いもの。
写真はずっと撮ってきた僕ですが、動画はどうも苦手。しかし、いつも一緒に行く後輩君が実は動画撮影がとても上手なのです。
そして音楽。軽い調子で弟にお願いをするとつい先日、突然、音源が送られてきました。
そのアンビエントな感じは僕のイメージ通り。今後輩君が動画とミックスしてくれています。まだもうしばらくかかるかもしれませんが、多分こちらでご覧いただける時が来ると思います。
果たして僕にはシュタイナーの言うことが真実なのかどうか分かりません。
でも、トラウトフィッシングにも、もちろん音楽にも言葉や理屈では決して説明出来ない美しさや感動があふれていることは知っています。そしてそれを表現することに挑戦したいと思います。
今まではそれが「何のために?」と自分自身に問うても上手くは説明出来ませんでした。単に、「やりたいから。」とか「ボケ防止で・・・(笑)」とか茶化したり。
でもシュタイナーの言葉を読んで、幸せな気持ちになれた。
少し苦しくても、創造的でいようとすること、表現し続けようとすることは人生においてかけがえのない価値があると言ってもらえたから。
そしてそこに友人がいて、弟がいて、また1つ夢が形になろうとしている。
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