徒然にララバイ
(10月某日)
「へえ。ふ~ん。まぁまぁ、キレイだな。」
「菓子皿のなかを見ると、立派な羊羹(ようかん)が並んでいる。
余(よ)はすべての菓子のうちでもっとも羊羹が好きだ。
ことに青味を帯びた練り上げ方は、玉(ぎょく)と蝋石(ろうせき)の雑種のようで、はなはだ見て心持ちがいい。
のみならず青磁の皿に盛られた青い煉羊羹は、青磁のなかから今生れたようにつやつやして、思わず手を出して撫でて見たくなる。
西洋の菓子で、これほど快感を与えるものは一つもない。
クリームの色はちょっと柔らかだが、少し重苦しい。
ジェリ(ゼリー??)は、一目(いちもく)宝石のように見えるが、ぶるぶるふるえて、羊羹ほどの重味がない。
白砂糖と牛乳で五重の塔を作る(ケーキのこと??)に至っては、言語道断の沙汰である。」
たかが、と言ってはとても失礼だけど、羊羹だけでこんな文章書けるなんて、さすがに文豪。
いただいた簡易テーブルに、雑貨屋で買ったスウェーデンかどっかのコップ。
そして、ここに来る途中ファミマで適当に買った羊羹。
周りにはこの紅葉。
うむ。
(11月某日)
しみじみ男に生まれて良かったなぁと思える1つに、こんな風に温泉に入っている時間がある。
それほど広くない湯船に何人かで入っていてもお互いのテリトリーをしっかり尊重してくれる。
裸で長時間同じお湯につかっていて、目を合わせることも、言葉を交わすこともなしに成立する空間ってのは珍しいと思う。
人生に関する色んな問いも、その答えも、ほとんどは自分自身の中にあるのです。きっと。
(11月某日 その二)
友人から教えてもらったアイラモルト。
とてもクセが強いその味わいは、やっぱりクセが強い僕と相性が良かったらしく、すっかりハマってしまった。
だけど、それは毎日家で呑みたいというよりは、やっぱりちょっとだけお洒落して、カウンターに座って、2〜3杯だけ。
ラフロイグ
ボウモア
アードベッグ
タリスカー
etc...
すると、広いカウンターの1番向こう側に座っている常連さんらしい人たちとマスターが話すのが聞こえてくる。
まだ湖には行かないけど、タックルはいつも積んである。
お気に入りたちをたまに眺めるだけでも豊かな気持ちになれる。
釣りには行ってないが、夏に立ち上げたトラウトに関するNPOに誰もが知っているであろう大きな会社が支援してくれることになった。
とてもとても大きな喜びと同時にしっかりやらないと、という気持ちにもなっている。
0コメント