星影のステラ(2021解禁雑感)

今月初旬、ずっと好きだったジャズピアニスト、チック・コリアが亡くなった。

訃報を聞いたときは、ショックを受けて落ち込む、というよりは、「またか・・・。」とか、「やっぱりなぁ・・・。」といった、ある種あきらめに近い感情が湧いた。


僕くらいの年齢になると、そろそろこんな話しが増えてきて当然。


僕が10代のころからずっと第一線で活躍してこられた方だったから、もう、遅かれ早かれ、とは思ってた。


そしてこの夜、追悼なんてつもりじゃなかったんだけど、前に後輩くんにもらって、時折チビチビとなめていたシングルモルトウイスキーの小瓶3本を、まとめて棚からゴソゴソ出して、グラスに入れて、キュっと呑んだ。



BGMはこの曲。


やっぱり大好きなボブバーグとの共演。「星影のステラ(Stella by Starlight)」というジャズ・スタンダード。


ボブバーグはもうだいぶ前に亡くなっていて(バス釣り行く途中に交通事故にあって。)、チックコリアもいなくなると、僕の中の音楽はまた少し凍りつくだろうけど、それはしょうがないこと。


しかし、この何回聴いても、、、な演奏と言ったら。


曲の原型をホロホロに煮崩して、熟成させ、まろやかにして、静かに、でも濃厚に。


メロディーやリズムがどこにあるかすらボンヤリしているけど、夢見心地になれる。


天衣無縫とはまさしくこんな演奏のことだろう。


そんなこんなで時間が経ち、ウイスキーは腹の中できれいな霧になり、全身をめぐりだした。


よく、死んだらお星様に~なんて言うじゃないか。


そういえば、星影の「影」っていう字はたしか光のことだったかなあ…。


そうだそうだ、曲のタイトルに"Starlight"ってあるもんな。じゃあ、チックコリアもお星様になったかな。


・・・なんて、いい年こいたオヤジの言うこっちゃないか。


もうすっかり酔っ払い。


まぁでも、こんな夜にこんな曲を聴きながら、深酒なんてのも悪くない。


そこまで大酒かっくらったつもりはなかったんだけど、ちょっと呑みすぎたらしい。


実はこの翌日、かなり強い二日酔いになってしまった。丸一日すっかり寝込んでしまった。


まあしょうがない。たまにはこんな日も、ある。



ところで、話しはガラッと変わるけど、僕にとって釣りのワッペンというものが少し微妙な存在なのです。


とても好きで、大事にはしてるんだけど

あまりフィッシングベストを着るアングラーじゃないから、定位置を決めかねて、バッグとか、帽子とか、色んなとこに縫い付けては、外し〜を繰り返してる。


そして、結局自分の部屋にしまってしまう。


ちなみに、このストレーンのワッペンは中学生の頃の思い出。

このラインの紙パッケージを開けた時の独特のにおいは、僕にとってルアーフィッシングのフレイヴァーそのものだった。


もう数年前になるけど、スプーンオンリーで、しかもダーデブル縛りの釣り大会なんてのをやったこともあった。


この赤白悪魔マークは、ルアーアングラーにとって永遠のアイコンですね。

東京のあの店にはコロナのせいもあって、しばらく行けてない。


このワッペンは地元、御池で63cmのレインボーを釣った時にもらった。僕にとっては大切な勲章。

そして、まだご本人にはお会い出来てないけど、ものすごくお世話になったサトウオリジナルさんのワッペン。


いつか必ず会って、お礼をしたい。

大好きな小説たちの上に並べて、写真を撮ってみた。

なんだか夜空の星々に見えないこともない。

僕だけの、僕自身の星影。なんて。


そして、ほんの数日前、また一つ大事なワッペンが届いた。


散々身に付ける場所に悩んだけど、コイツを考えてくれた人が、僕のために作ってくれたライセンスホルダーに入れることに決めた。


このホルダーが今度こそワッペンたちの定位置になってくれるといいな。

そして最後に、もう少ししたら大事な星影がまた一つ増えることになりそう。

本当に、身分不相応なくらいありがたいことだ。

根暗な楽天家の僕だけど、感謝すべき出会いを山ほど、こんなに沢山いただいている。


ともあれ、今年も明日から解禁。

大自然と、トラウトたちと、友たちとの幾多の出会いを楽しみに、またあのフィールドに出かけようと思う。


Angler's lullaby

アングラーズララバイ ~ 釣り師の子守歌 〜